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【簡単に解説】「線状降水帯」それは次々と発生する積乱雲です。

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線状降水帯とは

線状降水帯は、レーダー画像で降水の状況を上空から俯瞰すると、線状に停滞しているようにみえる降水の列です。
衛星画像で雲の様子をみると、その降水をもたらすのが発達した積乱雲の列であることがわかります。

基本的には、同じ場所で次々と発生する積乱雲が、発達しながら同じ方向に進むため、1列に並んでいるように見えます。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/images/senjoukousuitai.png
(気象庁ホームページより引用)

一つ一つの積乱雲は自由に動いていますが、同じ場所で発生し、同じ方向に進むことで、同じ場所に雨を降らせます。そのため、一か所に大量の雨が続くことになります。

日本の地形的特徴

日本では、その地形のせいで、こういった積乱雲が次々と大雨をもたらす場所がほぼ決まっています。
それは、南西から南方向に海があること(海は水蒸気の補給をもたらします)、北東から北方向にやまがあること(山は上昇気流を発生させます)です。
梅雨期など高温で多湿な時期に、南よりの湿った空気が流れ込み、積乱雲が次々と発生・発達し、同じ場所に雨をもたらします。

線状降水帯は西から東へだけでなく、風向きによっては南から北に発生します。
これは、全国どこでも南側が海に面した場所で起こる現象です。

この図は、南北方向に線状降水帯が発生した例です。

Identification and Classification of Heavy Rainfall Areas
and their Characteristic Features in Japan,Fig. 12.
Journal of the Meteorological Society of Japan, 98(4), 835−857, 2020. doi:10.2151/jmsj.2020-043
Special Edition on Extreme Rainfall Events in 2017 and 2018

発生しやすい場所

もちろん、この現象が発生しやすい場所は特定されています。
有名なのは、長崎県五島列島にできる「五島ライン」、長崎半島ににできる「諫早ライン」、鹿児島県甑島列島にできる「甑島ライン」です。

2020年7月3日夜から4日朝にかけて熊本県南部を中心に記録的な大雨が降り、気象庁は熊本県内で初めて「大雨特別警報」を発表しました。各地川が氾濫し、土砂崩れが多発しました。この時の大雨も線状降水帯とよばれています。


その時の衛星画像動画です。(気象庁ホームページより)
クリックすると気象庁のサイトの動画を見ることができます。

https://www.data.jma.go.jp/video/data/kansoku/himawari/2020/j20200704.mp4(気象庁ホームページより引用)

いまいる場所の特徴を知ろう

気温が高く湿った季節に、南西から南方向に海があって、北東から北方向に山がある場所にいるときは、大雨が降りやすい場所にいるのです。

近畿では、淀川チャネル型大雨と呼ばれている現象も、線状降水帯の一種です。大阪府北部や京都府南部から滋賀県南部も、こういった大雨の降りやすい場所です。

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